ロウは油性で、塩化カリウムは水性である。となればよく知られている通りこの二つははじきあう物である。 もしかするとこれこそがロウだけを吸い上げたり、逆に吸い上がらずに火が付かなかったりする理由なのではないか。 となれば、この二つを混ぜるために石鹸を入れれば良いと考えた。 石鹸は親水基と親油基の二つを持つ界面活性剤と呼ばれる物で水性の物と油性の物を混ぜ合わせる事が出来るのである。 早速少量の石鹸をとり、すりつぶして塩化カリウム水溶液に混ぜて溶かしてみるがほとんど溶けずに沈んでしまった。 ロウをまぜてみたが分離してしまい塩化カリウム側は固まらず、残った分だけで作ったが色は変わらなかった。
蒸発皿を使わず芯を一直線にしても、ロウよりも薬品の方が、 比重が大きいためにロウが吸い上がると同時に薬品が沈んでしまい、 ほとんどロウだけが吸い上がってしまうことは変わらないようである。 ただ最初にロウが吸い上がるまでの数秒間は薬品によって色が変わっているだけのようである。 たとえ芯に大量の薬品を付けても今度はロウが吸い上がる隙間が無く火がつかないだけなのである。 その二つが水性と油性なので混ぜ合わせるために石鹸をいれて作ったロウソクの炎の色が変わらなかったのは、 ロウと塩化カリウム水溶液が溶け合わなかったことから、 石鹸がロウと塩化カリウム水溶液を混ぜ合わせるのに十分であるほど溶けなかった事が原因と考えられる。
・芯を一直線になるようにしてロウソクをつくってみても成功しなかったのは、
ロウが吸い上がると同時に薬品が沈んでしまうところが変わらなかったからと考えられる。
・石鹸を使って油性のロウと水性の塩化カリウム水溶液を混ぜようとした実験で成功しなかったのは、
塩化カリウム水溶液に石鹸があまり溶けなかったからと考えられる。
いろいろな努力をしたものの、また炎色反応するロウソクができなかったのですごく残念である。 ロウと薬品を混ぜることは一旦諦めて、薬品が沈まないよう太い芯、 しかも外側はロウが染み込みやすい柔らかい素材で内側は薬品が沈まないような堅めの素材で作ってみようと思っている。 また、もし炎色反応するロウソクが作れたならば、塩化第一鉄の他の薬品を使ってさまざまな火の色のロウソクも作りたい。