実験1より基本的には温度が高いほうが反応は速くなるようである。ただし28℃から温度を上げる と再び反応時間が遅くなり36℃でまた早くなり始めている。それは、この反応は色が変わるまでにい くつかの反応が起きているが、それらの反応には温度上昇による反応時間の変化の割合が違うためであ ると思われる。また、実験2では濃度が濃ければ濃いほど反応が速くなったので、濃度が濃いほど反応 が速くなると思われる。
亜硫酸水素イオンは、次の@の様にヨウ素酸イオンを還元する。
H+ + OH- → H2O・・・C
この反応は、Aよりも優先して起きるため、ここでAで使われるはずの水素イオンが全て使われてしま うと、Aの反応が起きず、色も変わらない。時計反応は、温度が高くなると反応が速くなり、濃度が濃くなると、反応が速くなる。ただし、温度 の場合は一時的に反応が遅くなる温度があり、実験した範囲内では濃度が濃くなれば反応が速くなる が、さらに濃度を濃くすると反応時間が遅くなることが予想される。
『教師のための化学実験 ケミカルデモンストレーション6 振動反応と時計反応』 池本 勲 訳 丸善株式会社 1998年発行